こんにちは!
戸建を使って民泊、簡易宿所に挑戦したい方は、まずはどのような物件を選べばいいかよく分からないと思います。民泊にできない物件もあるので、初心者の方は物件を選ぶ基準を持つのが非常に重要になります。
なので、今日は戸建で民泊、簡易宿所を始めるために、どういった点に気をつけて物件を選べばいいのか解説します。
民泊や簡易宿所では、行政の定めた法令、規程、ガイドラインに照らして許可がおります。この記事では私の体験談を解説しますが、自治体によって許認可の運用は異なるので、実際に民泊を検討されている方は必ず物件所在地の自治体(保健所、消防)に詳細を確認ください。
行政のガイドライン
厚生労働省が作成している以下のリンクの「民泊サービスを始める皆様へ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~ (平成30年6月改訂版)」に詳しい説明が記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000213163.pdf
簡易宿所を検討されている方はこの手引きをしっかり読むことをお勧めします。
旅館業法に基づいた、簡易宿所の許可を取得するために必要な情報が網羅されています。
また、ガイドラインは更新されることもありますので、物件市所在地の役所に確認が必要です。
この他、物件所在地の自治体でも簡易宿所や民泊のガイドラインがあるはずなので、是非、ネットで検索してみたり、最寄りの保健所に問い合わせてみてください。
賃貸か購入か?
まず賃貸で運用するか、物件を購入するか決める必要があります。都会だとマンションの一室を賃貸して民泊を運営しているようです。
ただ賃貸だと、所有者に民泊として使用する許可を取る必要があります。マンションでしたら、管理規約で民泊が禁止されている場合もあります。
また、民泊として許認可を取得するためには消防設備などのリフォームが必要なので、最初から所有者に許可を取るのは結構大変だと思います。
でもその点、戸建を買ってしまえば自分がオーナーです。他の入居者もいないので、自分だけの判断で民泊を開始できます。
地方は戸建が安く、北海道であればまだまだ使える物件が200万円以下で十分買えます。実際、私はこちらの物件を170万円で購入して、簡易宿所の許可を取得しました。
地方では200万円以下で状態が良い戸建が買えるので、賃貸で所有者と交渉するよりも買って自分の好きなように運営した方がいいと思います。
用途地域
物件の用途地域も非常に重要です!用途地域とは「商業地域」、「工業地域」、「住居専用地域」など土地利用の用途を定める制度です。用途地域によって建てられる建物が変わってきます。
以下のとおり用途地域は全部で13種類あります。
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・田園住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
この中で旅館業法取得可能な地域は6つ。第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域の6つです。
この用途地域の制限は非常に厳しく、この6つ以外の用途地域で物件を購入すると民泊の許認可を得るのは基本的に難しいようです。ですので、民泊を始めたい方は物件の用途地域がこの6つのいずれかに当てはまっているかをしっかり確認されるをお勧めします。
民泊を始めようと物件を購入した後で、民泊ができない用途地域だと分かって、民泊を断念される方もいたと聞きます。
北海道であればこちらのサイトで用途地域を確認可能なので、是非、活用してみてください。
近隣の教育施設
近隣に学校などの教育施設がある場合は要注意です。厚生労働省の手引きの中で、「施設の設置場所が以下の施設の敷地の周囲おおむね 100mの区域内にあり、その設置によって清純な施設環境が著しく害されるおそれがある時は、許可が得られない時がある。」と記載されています。
1 学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、高等専門学校等)
2 幼保連携型認定こども園
3 児童福祉施設(助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター等)
4 社会教育に関する施設(公民館、図書館、博物館など)で都道府県等の条例で定めるもの
実際、私の簡易宿所からギリギリ100メートル以内に児童保育所があったため、保健所での許認可にかなり時間を要しました💦許可が得られないという感じではなく、保健所の方で問題ないか確認するのに時間が必要だったようです。
手続きは自治体によっても異なるようですが、旭川の場合は、宿泊施設の周囲100メートル以内の範囲に教育施設があると、確認に時間を要すると聞きました。
購入を検討している物件の近隣に教育施設がある場合、事前に保健所に相談した方が安全かと思います。
構造基準
また、簡易宿所の許可を得るにはこちらの構造基準を満たす必要があります。
手引きで該当する箇所を貼り付けておきます。
簡易宿所の場合、宿泊者数が10人未満の場合は、宿泊者の数に応じて客室の面積が定められています。
私が旭川で簡易宿所の申請手続きをした際には、構造基準について問題になりませんでした。戸建でそれなりに広かったので宿泊者数を10人以上にできました。
ただ、簡易宿所の申請の際に、宿泊者人数を申請する必要があります。それぞれの客室で何名まで宿泊が可能かなどは保健所からのチェックが入ります。
民泊の運営業者の方と話した際には、構造基準で問題になることはあまり無いようですが、宿泊人数を多めに設定したい場合は、トイレの数を増やす必要があるようです。
物件購入前に相談を!
私が実際に簡易宿所の許可手続きを経験して一番感じたのは、「これは一人でやるのは厳しい」ということです。
簡易宿所の手引き以外にも法令で様々な細かい規則があり、自治体によってもやり方が違うので、独力で全てを調べるのはハードルが高い印象を持ちました。
怖いのは、用途地域のようにある条件を満たしていないと、民泊ができない物件を購入してしまう可能性があるということです。
不動産投資であれば、万が一ハズレ物件を掴んだ場合でも、その後の努力で挽回できる可能性は十分あります。
ただ、民泊ができない物件を一度掴んでしまうと、後からの挽回はかなり難しいです。
とにかく、自分で簡易宿所を始めてみて「分からないことを相談できる人を早めに確保する」のが非常に重要だと感じました。
私は民泊運営代行業者の方に申請手続きの前から相談をしましたが、保健所や消防とのやり取りも一部お願いできたので、今では相談をしていて本当に良かったと思います。
やはり、何も分かっていない人間が相談するよりも、経験をしていて流れが分かっている方に相談いただいた方が格段にスムーズです。
業者の方でなくともいいので、民泊を検討されている方は、まず相談できる経験者を見つけられないかご検討ください。